半導体ヘッドフォンアンプ
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1.新ヘッドフォンアンプ  
 新たな検討
    カレント入力イコライザを検討してみようと思いスタートしましたが、今回ヘッドフォンアンプとして若干方向転換し進めていこうと思います。
最近、持ち歩いたりできる密閉タイプのヘッドフォンを検討しています。家で聞く時はコンデンサーヘッドフォンがあるので問題ないのですが、イヤータイプのヘッドフォンに不満もありアンプも含めて検討しました。
一つの候補としてAKGのK518DJという機種があります。持ち歩くときに小型に収納できるし、このクラスのヘッドフォンで聞き比べた中ではトップにあげられると思います。Boseも音楽性に優れたヘッドフォンで気に入って購入しました。アンプについては、音質重視で自作を試みましたので据え置きタイプとなりました。

【図1】HPアンプ
K518DJ Bose around-ear headphones (TriPort )
タイプ 密閉型 タイプ 密閉型
周波数特性 16Hz〜24KHz 周波数特性
感度(1mW) 100dB/mW 感度(1mW) 97dB/mW
インピーダンス 32Ω インピーダンス 32Ω
  イコライザを真空管で久々に作り始めたので、この回路をヘッドフォンアンプに変更して完成させる事にしました。変更回路は、シンプルにして出力PPを設けて反転アンプ型の回路とします。 
 使用するヘッドフォンは、上にあるような機種をターゲットとします。
 元々イコライザ用に作成したアンプなので入力のFETトランジスタは、2SK240と2SJ75のローノイズを使用し、次段には2SA1383と2SC3514を採用しました。
 反転アンプなのでこのままでは発振してしまいますが実際には、2段目の差動トランジスタのベース・コレクタ 間にコンデンサないしはコンデンサ+抵抗を入れて位相補償を行います。

【図2】ヘッドフォンアンプ回路図
2.ポータブルヘッドフォンアンプ  
 電池駆動
   ヘッドフォンアンプを作っているうちにエフェクターで使用しているゲルマニュームトランジスタを使って作る事を思いつき色々検討した結果電池駆動のヘッドフォンアンプを作ることにしました。
最初は、シリコンからゲルマへの置き換え(006Pにより9Vで動作)を考えたのですが、ゲルマは熱に弱くパッケージの許容損失も低いため低電圧(±1.5)で動作させてやることにしました。
 よく見かけるのは、ダイヤモンドバッファと呼ばれる電圧ゲインのないタイプですが同じ物を作ってもつまらないので電圧ゲインも持たせたタイプを作ろうと思います。
初段は、在庫のあるNECのFETを使いました。
もう秋葉では見かけませんが、まだネットでチラホラ見かけます。
 2段目にゲルマニウムTrを使用してみようと思います。
電源が、±1.5VなのでRL=30Ωなら30mW弱の出力となります。
そこで初段には2mAほど、次段は25mAほど流す定数設定を行う予定です。
 ヘッドフォンは、携帯性を考えオーディオテクニカのATH−FC700を選びました。低音はあまり出ないのですが中音は元気の良い音でとても聞きやすく、高音はそれほど刺激的ではないので気に入りました。
音漏れは、あまり良い方ではないかもしれませんが、長時間していても耳が痛くなることはありません。
使用部品
2SB77/2SD77
 今まで見つけて購入したゲルマTRの中でコンプリな製品がこのトランジスタになります。
PNPとNPNでそれほどペア特性を気にしなければメーカーが異なっても問題ないかもしれないと考え、2SB324と2SD72の組み合わせもテストしてみようと思います。
2SJ44/2SK163
 オーディオアンプを作る時に標準的に初段の差動アンプとしてこのFETを使用していたため手持ちがまだあるために採用します。
現在廃盤になっていますが、ネットで販売しているお店がまだあるみたいです。
 上の図が、ゲルマニウムトランジスタのピン配置になります。
現在の一般的なシリコントランジスタ(E,C,B)と異なりセンターベースとなっています。
初段に使うFETに関しても左図のようにセンターゲートとなっています。余談ですが、日本の初期のシリコントランジスタには、センターベースの製品がありましたが、海外製品がセンターコレクタでしだいに変わって行きました。(30〜40年以上前の話です)
 当初の定数ではゲインが足りませんので見直しを行うと共に仕上がりゲインを抑えて作る事にしました。
回路定数を変更したものに図面も変えました。
             2010/06/24 UP

 もう少し初段のドレイン負荷抵抗を大きくした方が良いかもしれませんがOKとしました。
出力負荷に33Ωを付けてオープンゲインを測定すると5倍程度しかありません。
出力段のゲルマニウムトランジスタには10mAほど流しています。
この電流の調整は、入力段の差動トランジスタのソース側の抵抗 Rを変えることにより行います。
左の波形は、下が入力で上が出力となっています。
 (上から100Hz,1kHz,20kHz)
単四アルカリ電池を使用しますので900mAhの能力があるので2ch分の電流が24mAほどなので37.5時間ほど使える事になります。
製品としては、駄作かもしれませんがこの時代にオーディオにゲルマを使うのも自作派の特権です。
3.オペアンプによるHPアンプ  
 TIのOP2604のアプリケーションとしてインターネットに載っている回路図を左に掲載します。
この回路は、R3=R4=43Ω程度にすると出力電流を2倍にすることができるものです。
オペアンプの出力電流は、一般的に10〜30mAほどで製品により電流保護回路が入っているものがあり、インピーダンスの低いヘッドフォンでは少したりないと思います。
この回路により電流能力を2倍にする事によりオペアンプの選択枠も増やすことができ色々聞き比べをすることができます。
なお、R3,R4は、初段のオペアンプの帰還ループ内にあるので、出力インピーダンスはそれほど大きくなりません。
 この回路を利用した製品も市場に出ているようですが、簡単に作れるので検討してみます。
今回友人より作成依頼がありオペアンプを利用して作る事になり下図の回路を設計しました。
動作確認しながら微修正を行っていきます。
 2013/9/10 UP
 回路の見直しをすると共に使用部品の購入を行う。
変更ポイントは、DCサーボのフィルターを2次から3次にしたこととレギュレータの増幅部の抵抗をFETによる定電流にした点です。
 2012/9/14 UP
 
☆最終回路 2013/11/10
    ガラエポの蛇の目基板を利用して回路を構成します。左に見えるTO220パッケージの部品がSICショットキーダイオードです。緑のLEDを基準電圧としたレギュレータを電源として使用します。
実測で±10.8Vの電源となっています。
配線がまだできていませんがあと少しで完成です。
 LME49720NAは、この回路常数で単体で6mV程度のオフセットが出ますがOPA2134PAでDCサーボをかけることにより1mV程度に抑えられます。
電源投入時やオフ時のポップ音もわりと少ない方です。
     
 2013/11/2 UP
 電源を16V×2のものに変更した為レギュレター出力を少しアップさせました。
具体的には、ベース・グランド間の抵抗値を3.6kから3.3kに変えています。
また制御トランジスタの負荷を2SK30の定電流から2SK246の定電流に変えました。
電流値をアップさせるためです。(6mA)
今回は、信号ラインの内部配線にはシールド線を使わずOFCに金メッキされた単線を使用して見ました。
 回路図を最終版に差し替えておきます。
手持ちのボーズのヘッドフォンやテクニカの低価格品で試聴をして満足できるアンプに仕上がりました。
 2013/11/10 UP 
 友人の評価も上々で満足して使用してもらっています。 
2014/1/17 完 
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