デジタルオーディオ   
1.CDP−557ESD(CDプレイヤー)  
  セット概要
 CDプレイヤーも4〜5機種使用してきましたが、1987年に発売されたCDP−557を現在も使っています。
このプレイヤーは、オーバーサンプリングで18ビットD/Aを初めて使用したものです。この当時16ビット以上のD/Aで性能の優れた物がなかった為、工業用(オーディオ用に開発されたものでない)D/Aを採用したそうです。問題は、グリッジが出るためサンプルホールド回路を追加して使用しております。
I/V変換用のオペアンプには、この当時中高機種に使われている5534というシングルオペアンプが使われています。また変換用の抵抗は、樹脂モールドされたカスタム抵抗が使われています。
I/Vの出力に3次のGIC型ローパスフィルターにつながりカップリングコンデンサを通して出力されています。
 構造的にもセラミック製インシュレーターを採用したりケースもしっかりした質量をもっており振動に対するダンプ材の採用など手間のかかるものです。ケースの内部は、銅メッキ処理を施して磁気に対する配慮がなされています。総重量18.5kgもありバブル期絶好調の時の製品になります。
  改造
 そのままの状態で使用していたのは1ヶ月もなかったと思います。
早速、改造に入りました。まずは、アナログ部の電源カップリングコンデンサです。ニッケミのオーディオ用が使われていたと思いますが、すべてブラックゲートに交換しました。パラに入っているバイパスコンデンサーもオーディオ用のフィルムコンデンサーに変更しました。
 次に換えたのが、オペアンプです。この当時5534より優れた性能の物を手に入れる事ができなかった為、自作することにしました。スルーレート・GB積の性能を2倍以上にすることを目標にハイブリッドオペアンプを作りました。
 この他、アナログ部の抵抗をタンタル金属皮膜抵抗へ、フィルターのコンデンサを双信のSEコンデンサへオーディオ出力のカップリングコンデンサーをオーディオ用フィルムコンデンサに変更しました。
もう20年近く前の話ですが、初めてCDの音を不満なく聞くことが出来るようになりました。
 尚、上の写真の一番奥に写っているのは、オーディオブロックに供給している±電源でディスクリート構成になっていますが、独自の回路に変更してあります。
現在は、D/Aを購入したためトランスポートとして使用しています。        :1988年2月
  トライアソシエイツから発売されていたCD−118EXというCD用スタビライザーです。マイカとトライガードが何層かになっているローコストタイプのものです。
高級なメカにはスタビライザーの相当する物が組み込まれていますが、私が購入するセットにはあった方が良いかなと思い購入しました。使用するデッキによりうまく着けられなかったりサーボが掛からなくなったりする場合があります。
  更なる改造
 最新の部品を使って改良してあげれば音質的に見劣りしないデッキになると考えDAC出力のサンプルホールドからフィルターとバッファ回路の部分に使われているオペアンプを見直してみました。 当時は高性能で音質の良いオペアンプはそれほど無くDACも18bitの逐次変換タイプの産業機器用DACを使用しているため性能は良いのですがグリッジが発生するのでサンプルホールド回路を追加することで対応した回路を採用している製品です。 今の機器はほとんどデルタシグマDCAを使用しているので違いを味わうため見直しを試みることにしました。
   2024/4/3
 
 上図のように初段のサンプルホールド回路にFET入力のAD845を採用します。次段のフィルター回路にはナショセミ(TI)のLME49860を、出力段のバッファには専用のLM310を採用することに決めました。
フィルター回路のオペアンプを以前FET入力のAD42712に変えていたので変更しないことにしました。
このオペアンプは、1990年前後のオーディオが全盛の時にAD712のオーディオ選別品との事ですが詳しい情報は手に入りません。
 以上の変更と一部の電源のパスコンをOSコンに変更した所、常用しているSA−15S1と遜色ない音質になりました。こちらの方が若干低域までのびている感じがする程度です。今後は切り替えて音楽を味わって行こうと思います。
    2024/4/7
 CDを聞いていると36年前に販売された製品とは思えないくらいの音質を味わうことができます。1カ月ほど立ちエージングも進み聞きなれてくると少しの違いがわかるようになってきます。
SA−15S1の改造で効果のあった物として水晶発振回路の改善があり同様の修正を取り入れることにしました。
ただ電源は、15Vの電源ラインからもらって5Vの電源を作る事になるので採用していたローノイズ電源ICを耐圧の関係で使うことができません。そこでディスクリートで5V電源をを作ることにしました。
基板を作成し動作確認をして定数を見直した物を下にアップし直しました。SACDの時とは違い発振周波数が低いので発振レベルを抑えるため抵抗を大きめに変更しています。
   2024/5/20
 写真の左側がレギュレーターで右側が発振回路です。発振回路には抵抗をコウワの金属皮膜抵抗を使用しました。
この抵抗は、元々多摩電子が作っていたものです。製造は終了しているので市場在庫のある抵抗値を選択して自作してみました。発振が不安定でしたので発振レベルの調整の抵抗を910Ωから390Ωに変更しました。
CMOSインバーターで構成した発振回路とは明らかに違う自然な音楽を聞かせてくれるCDになりました。
DACやデジフィルに供給されるこのクロック系統の電源に使われている電解コンデンサーにエルナのDUOREXが使われていましたが導電性高分子アルミ個体電解コンデンサに変更しました。
   2024/5/21
 
 SACDで発振回路を見直しているところですが従来回路より発振安定度が向上していると思われるのでこちらにも移植することで評価をしてみることにしました。
まずは回路図を下に掲載します。
この機種では問題ないのですが、デューティー50%に近づける定数変更をして改定しました。
   2025/3/27
  電源回路
 アナログ回路は元よりデジタル回路でも特に発振回路や位相比較などでは電源のノイズ特性など十分な検討が必要になります。
 色々なレギュレータ  
*DAT含めてデジタルオーデイオは、CD・SACD・PCオーデイオに絞った為記載を終了!  

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