プリアンプ (ラインアンプ)
使用機種履歴 設計ポリシー 自作3号機 現行機種
1.主な使用機種履歴    
 現在の半導体アンプの元となった製品が1969年に発売されたONKYOのインテグラ725です。
このプリパワーアンプは、±電源の採用とトーンコントロール部分に初めて差動回路を採用した記念の製品です。
 
安井先生のプリアンプ
 無線と実験に掲載されていた2段直結構成のプリアンプを作成。
マッキントッシュC-22のコピー  2011/7/26 UP
 イコライザアンプの部分だけテレフンケンのECC83を使用して製作を行う。 
自作1号機(1970年〜1973年)
  FET入力2段差動ユニット構成CRイコライザアンプ

自作2号機(1973年〜1978年)   2012/2/14 修正
 12AY7A-SRPP,CRイコライザ,12AY7A-SRPPのイコライザ部と5692によるラインアンプ構成で電源は、真空管によるレギュレータを別ケースに入れて供給しました。

自作3号機(1978年〜1985年)
 ±50V電源仕様の差動2段構成アンプCR型イコライザ採用(MCカートリッジ対応)電源には、シャントレギュレータを使用
自作4号機(1985年〜現在)
  12AU7による出力ライントランス仕様
 イコライザは、WE408を使用してCR型で製作予定
2.設計ポリシー UP
大きなダイナミックレンジを持つ
 イコライザについては、特に電源電圧を高くしてダイナミックレンジを稼ぐ。
過渡歪と言われる動作の排除
 無帰還時の特性を重視しその上で最小限の負帰還をかける。CRイコライザの採用。

ラインドライブ能力を高くする
  ラインアンプの出力ドライブ能力を高める。
 高負帰還により低インピーダンスを実現させる事はしない。

高い電源能力を持つ
 余裕のあるトランスの使用及びその他部品の吟味。
3.自作3号機 UP
 以前に使用していた真空管プリアンプは、電源ユニットとアンプユニットがセパレートで構成されていたのですが、シンプルに一つのケースに収めるよう製作したものです。
今回は、色々オーディオ用の素子が開発されている半導体を使ったセットの開発を始めることにしました。
ポイントは、
  1. 真空管の時と同じで、ダイナミックレンジを稼ぐ為に電源電圧を高くする。→±50V
  2. MCカートリッジをダイレクトに増幅できること。→0.3mV入力
  3. バッファ回路は出来るだけ避ける。回路は出来るだけシンプルに。
  4. 電源のアイソレーションを考え(考えたつもり)シャントレギュレータを採用。
  5. 抵抗,コンデンサ,配線含め吟味した部品の採用。
  6. 左右独立電源採用。→タンゴの±50V トロイダルトランス(RS−700)
となりました。
 真空管アンプの時は入力に銀巻線のパーマロイトランスをMCカートリッジ用に入れていましたが入力に使うFETにgmが大きくてローノイズなものがありダイレクト増幅を試みました。半導体のノイズは、感覚的に真空管に比べて6〜10dBほど低くないと耳障りに感じます。
このプリと7号機のパワーアンプそしてTQWTスピーカで聞く音楽は、充分満足出来ました。回路を以下に載せておきます。

【図1】初段イコライザ回路図

 初段に2SK147を使用する事により低ローノイズを実現しました。
 このFETは入力容量が大きいためMMなど インピーダンスが大きいカートリッジには向かないと思います。
 耐圧については、カスケード接続によりもたせています。
 2段目のトランジスタ2SA1383には、電流を流してインピーダンスを下げバッファ段を省いています。
 なるべくバッファ段を使用しない設計をしています。(真空管も)


【図2】2段目アンプ回路図
 初段同様にカスケード差動入力で次段はPNPトランジスタによる差動構成。
 特徴は、出力カップリングコンデンサにDCバイアスを加えてコンデンサに一定方向の電圧をか けている点です。
気持ちの問題かもしれません。

【図3】ラインアンプ回路図

 プリアンプの出力ラインアンプをCDアンプとしています。ここは初段のFET差動ペアの特性を考えSONYの2SK58を使いました。
 このアンプを設計した頃は、CDがまだ出ていない時代でしたので入力は、テープやFMチューナーなどです。

【図4】シャントレギュレータ回路図(正側のみ)

 低電流回路により電源とのアイソレーション効果を期待して採用しました。トータル的に満足できるプリが完成しました。
後、基準電圧をツェナーダイオードを使用せずに定電流と抵抗により実現しました。多少温度特性にも注意してFETを選んでいます。
4.現行機種(12AU7ラインアンプ) UP

 レコード再生を重点に作られた4号機に対し、CDやDATの再生がメインになってきた為、新たなアンプを作ることにしました。
色々試行錯誤しましたが、トランスを通してパワーアンプをドライブすると音楽の臨場感が出るように感じました。性能的にはパーマロイトランスを使いたいところですが、最大出力マージンが小さくなるのでタンゴのNP−8を使いました。以下に回路とその説明を上げておきます。


【図5】12AU7ラインアンプ回路図

【図6】セレクタ
 カソード接地とゲート接地回路による複合型回路で、それぞれの負荷がアクティブ負荷となっています。
厳密には、正転と反転アンプはゲインが異なりますが、共通のカソード抵抗を低電流化することにより差を少なくしています。
差動出力の両端にトランスの1次側を繋げることにより、直流電流をあまり流さずに使って、トランスの低域特性を少しでも良くしています。 (トランスに、タンゴのNP−8を使用。直流電流を流せるタイプ。)
 真空管は、12AU7Aをチャンネルあたり2個使用しており、上側のヒーターにはカソード間耐圧の関係で直流バイアスを与えています。 電源は、整流管を使用しチョークトランスとフィルムコンデンサによるπ型フィルターのみの構成です。入力は、リレーによる入力セレクタをリアー端子部分に直結させリレーのON/OFFをフロントセレクタで行っています。抵抗切り替えによるアッテネータを自作し左右独立させバランスの目的も持たせて採用しています。

【図7】アッテネータ
     

【プリアンプのフロント側】

【プリアンプの内部】
 上の写真の左側が電源で、30Hのチョークトランスと6X5の整流管が下の方に見えます。真ん中には、上の方から電源のカップリングコンデンサ(白いもの)で基板には6.3Vの整流と−5Vの電源回路がのっています。このほかに入力切り換え用のリレー電源も構成させています。
 右のブロックがラインアンプで、サブシャーシ上に組まれていて振動吸収材のソルボセンイによりフローティ ングさせています。
パワーアンプにもケースのインシュレーター(足)として東京防音のTSS−747(左写真)を使用しています。 4個入っていて1600円前後で購入できるためコストパフォーマンスが高い製品で、性能も十分満足しています。
 出力トランスのNP-8と右一列にMT管(12AU7A)がシールドをかぶせて並んでいます。 これにより、マイクロフォニックノイズに強くなっています。
●12AU7A
   MT管の12AU7Aと同等管を集めて使用しています。 左の写真は、CV4003というヨーロッパの高信頼管でそのほかECC82,5814AなどメーカーもRCA,シーメンス,シルバニア,GEなど色々集めました。品種により多少ヒーター電流値が異なりますが使用しているトランスの容量が大きいので問題にはなりません。
●6X5GT
   真空管アンプの整流にはできるだけ整流管を使用しています。 性能では半導体に負けるかもしれませんが、電源が小細工せずにソフトスタートしてくれるし、何となく暖かみを感じてしまいます。
 左の写真は、6X5Wというレイセオン製の物でとても作りの良い真空管です。MT管でもいいのですがGT管を何社かストックしています。
  
●リレー
   入力セレクタにリレーを使用して切り替えを行います。 後の端子の側で切り替えを行い配線による高域低下やノイズの飛び込みを抑える目的で採用しました。
 一応密閉タイプの物を使用しましたが、高級な物には経年変化の起こりにくいガス入りのものがあります。
●シールド線
   プリアンプやパワーアンプの内部の信号ラインにモガミ電線の#2497というシールド線を使用しています。 1978年の無線と実験で柴崎氏の紹介記事を読み、無酸素銅を使用した独自の構造が気に入り使い初めて今でもメインとなっています。
 以前は何種類かありましたが今では8mmφのものはこれだけが残っているみたいです。
     

M.I.の趣味の部屋