7C5PPパワーアンプ
7C5PP  6V6PP                 
1.回路検討    
 回路構成は、基本的に現在使用している6V6PPと同様のものを採用します。
初段の7F7と共に米軍放出品のロクタル管が安く手に入るので、平和利用のパワーアンプとして使用します。
元々、ロクタル管は戦車や戦闘機などに使われていたもので振動で抜けないような構造になっている真空管です。現在一番入手しやすいシルバニア社の物と、アメリカでRCAの中古管を購入してもらった物が手元にあるので使用してみます。
整流管には、ロクタル管もありますが1つでステレオ分をまかなえる電流能力をもったものがないためGT管のGZ−34(5AR4)を使うことにします。
 出力トランスは1度使用してみたいと思っていたパーマロイタイプの橋本トランスを、使用します。

【図1】 7C5PPパワーアンプ回路図
*回路記載ミスのため修正 2019/3/2UP
2.使用部品    
出力トランス
 出力トランスには、コア材として珪素鋼板とパーマロイと呼ばれるニッケル鉄合金があります。一般的なものは、ハイライトコア(無方向性珪素鋼板)と言われているもので、高級品にはオリエントコア(方向性珪素鋼板)が使われています。
 トランスに使われるものは、下図に示すHc(保磁力)が小さく,透磁率が大きく,飽和磁束密度の大きなものが優れたものになります。パーマロイは、透磁率が高いが飽和磁束密度が低いためにコアボリュームを大きくしたり出力トランス向けにはニッケルの含有率を抑えて対応しています。(40%前後)
オリエントコアに比べて低歪率ですが、更に高性能なものにアモルファスコアがあります。アモルファスは、磁性材料特有の「バルクハウゼン・ノイズ」が起こらないため低歪となっています。

【図2】
 
     *今回は、中村製のパーマロイトランスを使用します。(現在は廃盤かも)
電源トランス
      少々贅沢をしてタムラの角形トランスPC−3005を使用します。チョークトランスも合わせました。
真空管
【シルバニア社製7C5】 【シルバニア社製7F7】 【GZ34/5AR4】 【5B−255M】
その他部品
 電源のコンデンサは、フイルムコンデンサを使用します。現在使用しているプリアンプとメインアンプは、すべてフイルムコンデンサを使用しています。ヒーター用電源のみに電解コンデンサを使用しています。
抵抗は、最近はあまり使われていないタンタル金皮の1/2W〜2Wの物を使用するつもりです。
ケースも今までは自作していましたが、今回のみ鈴蘭堂のものを用意しました。
秋葉で真空管5B/255Mを見つけ購入しました。この真空管は、6L6のロクタル管でSTC社製です。
                                                  (2009/11/8)
丁度現在使用している6V6と6L6GAの関係と同じように7C5と5B/255Mの聞き比べが楽しみです。
3.回路変更   
 真空管6V6Gが好きな事から7C5を知り作成したのがこのアンプですが10年もたったので少し斬新な回路構成にしてみたいと思い変更することにしました。
   2019/3/3
 初段の電源にレギュレータ回路を入れて電圧を安定化させます。下図がその回路になります。
   2019/3/5
 ±90Vの電源を考えたが初段が7F7(三極管)では電圧が足らないことがわかり(五極管で可能かも)マイナス電源を190Vまで上げることにしました。PチャンネルのMOSトランジスタに耐圧の高い物が中々手に入らないので前段でバイポーラにより電圧を下げてから入力することにしました。
   2019/3/6
新回路案
 電源回路がもう一つでしたので見直しをして考えたのが次の回路になります。
定数の見直しは必要ですが検討したいと思います。まずは、250Vのレギュレータを作りました。
   2022/1/1up
 250Vのレギュレータが左の写真です。
定電流値を調整して固定抵抗を変更し出力電圧を合わせました。出力に(右側)に赤いフイルムコン6.8μFを付けました。
左上のTO220は整流ダイオードです。
制御用トランジスタはSICを使用しましたがゲート容量が大きいので小型のMOSとダーリントンにしています。
   
 レギュレータのノイズをオシロで見てみたら測定ノイズが大きくて測れませんでした。(400μVrms以下)
PSRRも実測はしていませんがシミュレーション上10kHzでも76dBほどあるので十分な特性です。

*回路修正と共に一部変更。
 高耐圧のトランジスターはhfeが低い事と、ミラーした電流を抵抗で電圧振幅に変えているのでミラーの電流に差異が生じます。それを改善した回路が上の回路です。
IC(集積回路)ではよく使われている回路の一つになります。ミラー特性は中耐圧の2SA970に受け持たせ耐圧の必要な部分には2SA1371を採用しベース電流の影響もトランジスタを入れて抑えています。

ミラー特性を良くするために素子数を増やすことが音質に良いか疑問も生じたためシンプルに変更しました。
   2022/5/2 up
   
4.New6V6ppアンプ  
 今もメインに使用している6V6をこの7C5と合体して作り直す事にしました。
現在構想中ですが基本的には上に掲載している5/2日の回路を少し見直した物となる予定です。
今年中に完成する予定です。
   2023/6/27 up
 回路てきには今までの流用も含めて一部見直して安定性の向上を図っています。ロクタル管は人気が無いようで安価に購入できるので採用します。
6V6はG管が好きなのですが今はあまり見かけなくなっています。GT管や7C5でも良いのですが好みで選びました。
 電源回路をある程度シンプルになるように構成し全段直結にしています。
初段の電流をPNPトランジスタによりミラーし終端6V6に繋いでいます。
初段の差動回路の定電流回路もNECのμPC71A−Lにより1.1mA程度の定電流を作っています。
このFETは0.9〜1mAぐらいにIQポイントがあり動作的には温度が上がると若干電流が下がる特性となっています。
 左に掲載したレギュレターは使用していた物を電圧変更して再利用しています。
整流はすべてSICダイオードを採用しました。整流管と比べて内部抵抗が小さいため整流電圧が高めになってしまいます。コンデンサの値を小さくすることである程度の調整をしています。
 μPC71A−Lによる定電流特性を測定した物です。新たなマイナス電源を設ける事無くどの程度定電流が可能か調べてみました。(RとはFETのソース側に入れる抵抗です)7F7の特性から2V前後の動作範囲となるのでOKと判断しました。
 2023/6/29 up
   
   

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