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一般的なCDは、ポリカーボネイト盤にアルミを蒸着したタイプですが、音質の向上のため金蒸着をした物や 盤の材質を変えた物が時々(マニア向け)発売されていましたが、最近はあまり見なくなりました。
しかしDVD,ブルーレイなどが普及しこの材料を利用したCDが発売され価格も抑えられて優れた音質を実現させてくれています。
2007〜8年頃、ガラスCDという物が1枚20万円というとても考えられない価格で発売されました。
この1つをある機会に偶然視聴することができました。それは、ビクターのウッドスピーカーコンポの視聴会です。
比較をしたわけではありませんが、クラシックを生で聴くようなリアリティーがありました。
私も以前から、ゴールドディスク20枚ほどとAPO-CD1枚を持っているので比較する為に最近ビーナスレコードの同一CDをゴールドとアルミを購入しました。 |
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■煙が目にしみる |
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エディ・ヒギンズ&スコットハミルトンによるスタンダードジャズのCD。
多くのゴールドディスクを数回発売したが、このCDのみ標準盤(アルミ)も購入した。
多分同一マスターの製品と思われる。 |
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元々ゴールドディスクは、音質より寿命を期待して購入したものです。(酸化しにくいですが、蒸着強度が低いと言う話もあります。)
今回用意したCDをプレクスターを使用してエラーデータを測定してみました。
左のグラフが結果で、TKCV−35161は一般のCDでTKCV−35522がゴールドCDになります。
C1のエラーに違いがありますが、それほど大きな値でもなく問題なくエラー訂正が行われるレベルなのでデータとしては共に問題ない値です。
ただゴールドの方がC1エラーが0の時もあるのがわかります。
基本的に、C1やC2エラーが出てもエラー訂正で正しい値になりますのでデーターに違いはありません。
エラー訂正が増えるとサーボ電流やエラー訂正回路のロジック電流が増えたりするためにクロックジッターやノイズが増えたりして音に違いが出るのでしょうか?
後は、抽象的な個人判断ですが視聴比較をしてみます。
大きな差はないようです。ただサックスのバックで鳴るピアノの音色や響きに違いがありゴールドCDが一歩リードしています。
これも(今の)私には、比較視聴しなければわからないレベルなので優れたCDではあまり差は無いのかもしれません。
当然CDプレイヤーにより差が出る場合もあるかもしれません。 |
【TKCV−35161】 |
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【TKCV−35522】 |
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CDのエラー訂正 |
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CDは、バーストエラーに対応するための訂正用リードソロモン符号を複数のフレームに分散して付加するとともに各フレーム毎にリードソロモン符号を付けています。
この最初の訂正符号を、C2符号と呼びまたフレームごとの符号をC1符号と呼びます。
C1符号では256ビット中の16ビットまでのエラーを訂正することができ、C2符号で224ビット中の32ビットまでのエラーを訂正することができます。
C2符号でも訂正できないエラーをC2エラーと呼び、オーディオCDでは前後のデーター(CDにはランダムに並び替えられたデーター列で記録されているため連続したエラーは起こりにくい)で補完されます。
パソコンなどのCDデーターは補完するわけにはいかないので、更にセクター単位でエラー訂正するための機能が備わっています。
下のグラフで示しているC1は検出されC1符号により訂正されたデーター数であり、C2は検出されC2符号により訂正されたデーター数となり、すべて正しい値に訂正されます。
これに対しCUは、C2符号でも訂正できない(C2エラーと呼びます)場合の件数で補完された値をとるため真の値とは異なります。 |
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左のグラフは、Blu-specCDの一例です。
非常にエラーレベルの小さいディスクです。
色々調べるとBlu-specCDは、数値が小さいようでピットの成形精度が高い為なのかもしれません。 |
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種類
高音質CDには、現在SHM−CD,HQCD,Blu−specCDの三種類の製品があります。 |
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SHM-CD |
HQCD |
Blu-specCD |
発売開始時期 |
2007/11/1 |
2008/9/1 |
2008/12/1 |
開発会社 |
ユニバーサルミュージック |
メモリーテック |
ソニー・ミュージックエンタテイメント |
日本ビクター |
使用材料 |
液晶パネル用ポリカーボネイト |
液晶パネル用ポリカーボネイト |
ブルーレイ用に開発されたポリカーボネート |
反射膜に銀合金使用 |
カッティングに青色レーザー使用 |
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音質 |
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それぞれ少しでも優れたCDを実現させる為の製品ですが、どうも高音質CDブームに乗ってあまりよくないCDもあるようです。
SHM−CD,HQCDの2製品は従来のスタンパーをそのまま使用することが出来る為、許容範囲内かも知れませんが劣化したスタンパーによりC1の多いCDが存在するようです。
これに対しBlu−specCDは、スタンパーも新たに作ることになるのでエラーの少ない製品が多いと思われます。(各2〜3枚を測定した結果)
実際の音質が、C1,C2の数値だけで決まるものではありませんが、1つのファクターであると思います。
このほかに最近は、やたらとリマスターをうたっているものがありますが、物によっては改悪になっている場合もありえると思います。そのため、視聴して納得したものを購入するしかないのではと思います。
音楽を録音しCDに編集する時、大型のモニタースピーカーシステムで調正したり小型モニターで調正したりしますが、ミニコンポやあるメーカーのラジカセ(業界標準)でも視聴調整をするのが一般的で従来製品で作りこんだマスターによるスタンパーでは、従来製品のCDが一番ベストに聞こえるようにしているはずです。
オーディオとは、非常にあいまいなアナログ的なシステムなので何かを変えると程度の大小はありますが音が変わります。
自分の耳を信じて、優れた物を選んで行けば良いのです。 |
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CDに傷が付くと大抵C1符号では訂正できずC2符号による訂正が働きます。CDを研磨して修理するお店もあるようですが、自分である程度修理できないかチャレンジしてみようと思います。
使用するのは、時計のプラスチック風防の傷を研磨する「サンエーパール」というものでヨドバシカメラの時計売り場などにも置いているものです。 |
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【修理前】 |
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丁度傷が付いたCDがあったので思い切って磨いてみました。最初は、エラー数値がおおきくなってしまい失敗かと思ったのですが、更に時間をかけて磨くと、だんだん数値が下がって行きました。
見た目にも傷が目だたなくなってきましたが、深い傷だったのでなかな0にまですることは出来ませんが一応成果はありました。
参考にデーターを載せておきます。(もう少しがんばってみます。)
あまりむりにこすっても傷をつけかねませんので実行される場合は、自己責任でお願いします。 |
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【修理後】 |
●「Scott Hamilton With Strings」CDのエラー修理 |
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ディスクユニオンでたまたま購入した中古CDが、Aランク品なのにエラーがすごかったのでプレクスターで調べたら真っ赤になっいました。
よくよく見るとCDトレーに挟んだと思われる傷が一部についていました。
前回は、エラーが消えるまでチャレンジしなかったので今回はC2エラーが消えるまで指先による磨きを行ってみました。
最初の状態をコピーするの忘れてしまいましたが、青いC2エラーの中心は真っ赤な線がたっていました。
つまりエラーが修正できない状態が2カ所で発生していました。
最初のクリーニングで赤のエラーをなくすことができました。(10分ほど)次にCDの縁に近い部分を徹底的に磨きました。C2エラーが無くなりました。最後に少し内側についている円弧の傷を磨いて落としました。
トータル25分ぐらいかかりましたが磨いて取ることに成功しました。
磨く時は指先で円を描くようにほどほどの力で自己責任で行ってくださいね!
最近はなかなか古いCDの再発売が少ないので頑張った甲斐があります。
C1エラーも半分以下になりました。
このサンエーパールは、腕時計のガラス部分の傷の修復用なので時計の部品などを売っている所には売っている物です。
8年以上前に購入しましたが未だにほとんど減っていません。
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2021/7/8 up |
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種類 |
寿命 |
紙(中性紙) |
250〜700年 |
紙(酸性紙) |
中性紙の1/4程度 |
マイクロフィルム(PETベース) |
約500年 |
LPレコード |
約100年 |
磁気テープ |
ビデオテープ,カセットテープ |
30年以上 |
フロッピーディスク |
20年以上 |
光ディスク |
CD−R |
10年〜30年 |
DVD−ROM |
約30年 |
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M.I.の趣味の部屋 |
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