SV811−10 or KT−66シングルパワーアンプ
1.回路の検討  
 SV811−10のシングルアンプを作るにあたり、Ip−Vp特性にて負荷特性を色々検討しましたが、A1級だけでは十分な能力を発揮できないためA2級までの動作を考えることにしました。(当たり前かな)
出力段のグリッド電流をどのように吸収できるドライブ段を構成するかとなりますが色々ある中でシンプルな構成のトランスドライブとすることにしてみました。  
 ゲインが少し足らないかもしれませんが、シンプルに2段構成のアンプとしてみました。初段のCV5112は、そこそこ中程度のゲインがありまたとても出力インピーダンスが低いためこのアンプにぴったりな真空管です。
電源の整流は、ドライブ段も出力段も真空管を使うことにしました。特にドライブ段の整流管には、同様のロクタル管を使用します。(電源トランスの特注のおかげです。普通、整流管用にヒーター2回路使えません。)
この回路でキーになるのが、ドライブトランスのNC−14です。コストパフォーマンスの高い製品で採用を決めました。 予定している出力段の負荷曲線(純抵抗として)を下のグラフに示します。
動作点としては、600Vの60mAで+10VぐらいまでのA1〜A2ドライブを想定します。
SV811−10は、801(VT−62)のパワーを3倍にしたような特性で、電源には苦労しますが真空管は安く手に入れることができるのでチャレンジしても良いと思います。
ドライブ段の真空管は、なかなか手に入らないと思いますが、適当な三極管を2段構成にしたり色々アレンジはできます。
2.使用部品  
■電源トランス
    左の写真は、電源トランスですがSV811−10用に知り合いのトランスメーカーの人に作っていただいた物です。
大手メーカーの電気セットのトランス専門で真空管のトランスを作ったのはこれが初めてだそうです。
出力段用電源巻き線と、ドライブ段巻き線の2巻き線とDC:4A流せるヒーター巻き線があるのが特徴です。
コアボリュームが非常に大きなトランスが完成しました。(約6kg)
■NC−14
   タンゴトランスのインターステージトランス5kの製品です。巻き線が入出力共に1+1のようになっているため直列でなくパラに配線すれば1.25kとして使用することができます。
今回は、CV5112の出力インピーダンスが低いのでこのように使います。
■SV811−10
   皆さんご存じのスベトラーナの現代真空管で今はブランドの問題で生産中止になっているがまだ在庫が市場で入手可能となっている。
発売当時、2A3や300Bの中国製より作りが良さそうだったので購入した物をやっと使うことになりました。
■CV5112
   SV811−10をトランスドライブで使用するのにぴったりと思い52同様 使用してみることにしました。
この真空管は、プレート抵抗(内部抵抗)が非常に小さくμも40近くあるのでパワードライブに適しています。
■GZ37
   ちょっとスリムですが出力管に合わせて大きめな整流管を使うことにしました。GZ32同様好きな球の1つです。
GZ32より内部抵抗が高いですが、高電圧整流に向いた球です。
3.新たなアンプへ  
色々な出力管を購入しているので音出しをしてみたいが昔のように最初から作る気力が無くなってきているのでアンプの改造で出力管を変更する形で新しいアンプを作ります。
以前は真空管による整流をメインに設計していましたがSICショットキーダイオードを使うようになってからあえて真空管を使うことも無いと感じるようになりました。
そこでKT−66を使用したシングルパワーアンプを下の回路で開発することにします。
 2019/7/19 up
 CV5112のカソード側に付いている回路がシャントレギュレータになります。上部のトランジスタ回路が230Vのシリーズレギュレータになります。4.5VのシャントレギュレータによりCV5112を10mAで動作させます。−32Vと書かれているレギュレータは同様の回路で構成しKT−66の三結にバイアスを与えています。60mAほどの電流で使用します。
   2019/7/20 up
   

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