真空管HPアンプ
1.71Aシングルアンプ  
 シングルでパワーは小さいが、音の評価の高い真空管71Aを使用してヘッドフォンアンプを作ります。
G管でニッケルプレートを使用した真空管ですが古いものには171(A)というナス管もあり見ているだけで時代をタイムトラベルしているようです。
  出力トランスにPMF-B7S-32を使用し32Ωのインピーダンスに対応させます。いずれ高価ですがファインメットコアを使用したFM-H1WSに変えてみたいと思います。
 ファインメットコアは、日立金属の開発したアモルファス系のコアで低域までエネルギーバランスの優れています。初段に12AY7の高信頼管の6072Aを使用します。この球はプリアンプにも使用した経験から71Aのピュアーな音色を邪魔せずにドライブしてくれると思い選びました。
当初は、ヘッドフォンアンプ専用で考えましたが、普段のバックミュージック程度でスピーカーをドライブするのも以外と良いことがわかり、両用対応のアンプを作る事にしました。 (2011/12/12)
変更箇所は、大きくは出力トランスのみで、日野トランスのPMF−6WS春日のKA5730と、整流にダイオードを採用することです。電源トランスを色々検討してみたのですが、なかなかぴったりした物がなくコストや大きさのバランスを考え、PMC−100Mとしました。ダイオードでブリッジ整流にすれば他の選択肢があります。
 左のグラフは、RCAのデーターシートに載っている71Aの負荷特性です。
4.8kの負荷でVp=180V,
 Vg=−40.5V,Ip=20mAのバイアス条件で動作させます。

【71A】



【6072A】
  
 
 当初は、5Y3による真空管整流を考えていましたが、シリコンカーバイトのショットキーが手に入ったので変更しました。200Vの巻線を使うのでぎりぎり600V耐圧のダイオードが使用できます。
 これにより、ヒーター巻線がピッタリと使えるPMC−100Mが利用できます。
  
2.5670シングルアンプ  
    2011/12/24
  この真空管は、プリアンプ用に購入して使用していますが、小さいのに意外と電流が流せるので小型アンプとして作成してみます。ここ数年に皆さんが作成された物が本やネットに掲載されています。
特に変わった回路を考えついたわけではありませんが、71Aとの違いを感じてみたいと思います。 当初整流は、真空管を考えていましたが、ショットキーダイオードに変更します。

2012/1/9変更
 当初、ヘッドフォンアンプとして右の図のような回路で検討しましたが、Idssが手頃なFETを選別することが難しいことと、FETの飽和領域のため振幅が十分得られないことで採用を断念しました。(メリットは、最小限の部品で回路が構成できる点)
 十分なドライブ振幅をとれるように、上のような回路を検討します。 2段直結で、出力のバイアスが初段の電流値で決まるため、温度特性をマイナス(温度が上がると電流が減る)になるように調整して熱暴走しないような設計をする必要があります。
 初段の電源は、実際には安定化した±10Vを作る予定です。
そもそも直結を選んだのは、出来るだけ低域のポールを減らしたかったためです。

【5670W】 
3.WE408HPアンプ  
 これもプリアンプ用に購入した真空管を利用してヘッドフォンアンプを考えてみた物です。
WE408は、ヒーター電圧が20Vと特殊なため以前から安く秋葉原で購入することが出来ました。
小さい球ですが、ウエスタンの音を味わうことが出来るかもと思い作ってみることにしました。 
   2011/12/28
 WE408Aを三極管接続で使用。
スペックからプレートには、130Vを加えて、プレート電流7.5mAでスクリーン・グリッド電流2.5mAほどを流します。
出力トランスは、春日のKA-1215を予定しています。電源トランスは、ノグチのPMC−95Mを使用します。低電圧の全波整流回路に最適なトランスです。コンデンサは、まずは電解コンデンサを使用します。
整流ダイオードは、SICを使用します。下に、今回使用するWE408AとカナダのNorthern Electric社の408Aです。一番右の写真は、WE5847で404互換で購入したものです。この真空管を探していて見つけたのがWE408Aでした。ヒーター電圧だけが違うので使えると考え10年以上前に安く購入しました。

【WE408A】

【NE408A】

【WE5847】
4.RC5B使用のヘッドフォンアンプ  
 LCRイコライザで採用したRC5Bを使用たヘッドフォンアンプです。
この真空管は、小型のわりに5Wのプレートを持っているので最適かなと思い作ってみることにしました。
この真空管は、形にも特徴がありスライムのようで見た目にも小さいけどインパクトのあるセットができそうです。
最近は、ヘッドフォンアンプ用にも優れたトランスがあるので選ぶのに悩んでいます。
   2014/11/15 UP
 FETの選択で回路電流が決まってしまうためあまり電流を流すことができないなどの欠点があるので真空管に置き換えて検討することにします。
   2015/2/7 UP
 実際に設計検討を始めバイアス条件を見直した回路を左に掲載し直しました。
WE408はシングルの三極管接続でも試作しましたがRC5Bと組み合わせると見た目も楽しめるアンプができると思います。
  2015/2/14 UP 
5.5670PPヘッドフォンAMP  
 現在最も市場流通の良い真空管5670を使用し出力を欲張らないヘッドフォンアンプを作ります。元々プリアンプなどで使わなくなったトランス(30mA)を利用して何か作ろうと思ったのが動機です。今まで真空管ではシングルアンプのみ作製してきましたのでプッシュプルアンプとしました。
 基本回路は、ラインアンプで使用している回路です。出力もヘッドフォンのインピーダンスにより異なりますが数十mWぐらいのアンプとなります。FETは2SK117BLを6〜7mAで使用します。
  2017/12/9 up
 小型のヘッドフォンに使われている合皮がボロボロになってきた(左下の写真)ので本革で修理してみました。柔らかい0.8mm厚の黒い牛革を使って筒状に縫って出来上がったのが右下の写真です。
6.新71AHPアンプ  
 真空管アンプを作り始めた頃浅井さんの本を見ながら直熱管の71Aを作ろうと秋葉原に出かけたことを思い出しました。作ったアンプも現行使用しているもの以外はほとんど保存していないので久々にこの真空管の音が聞きたくなり新たに作ることにしました。
   2020/5/29 up
 最近使用している電源回路や使用部品を使い上のような回路を作ってみました。
この回路のキーは初段の2SK303をIqポイントで動かし温度で電流があまり変わらないようにさせる事です。これがうまくできないと71Aのバイアスが変動してIpが代わり実用にならないかもしれません。ただレギュレータにも基準電圧として採用しており多少の変動はあるとしても実用になる範囲と考えています。初段を真空管にすると直結できないので(初段のヒーターが切れると71Aに大電流が流れる)半導体を採用して安定動作を狙うことにしました。
見直し回路
 7C5PP同様電源回路をシンプルにし初段も球を使うように見直した回路です。回路構成は、2つ目に上げた5670を使用したヘッドフォンアンプと同じ物になります。
   2022/1/2 up
   
   

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