構造部品
1.シャッター  
 初期の写真は乾板の感度が悪かったためレンズキャップでシャッターの代わりをしていました。その後、フィルムの感度が上がり高速に露光時間をコントロールするためにシャッター機構が組み込まれました。
天文写真や夜景写真を撮るときにバブル撮影を行うことがありますが、この時マニュアルかタイマーでシャッターを切ります。 シャッターの機械的振動を避けて昔のレンズキャップのような操作をすることもあります。
(一眼レフの場合ミラーアップの振動がブレに影響するため)
カメラに使われているシャッターにはフォーカルプレーン・シャッターとレンズ・シャッターの2種類があります。
フォーカルプレーン・シャッター
 フォーカルプレーン・シャッターは、2枚の遮光幕により開閉を行います。幕速度より低速のシャッター速度の場合、先幕が走行した後にスローガバナーにより決めた時間だけホールドした後、後幕を走行させて開閉を制御する。全開するのでストロボ同調させることができる。幕速度より速いシャッタースピードの場合開口部分がスリット状に移動して露光するため動く被写体を撮影すると歪が発生する。(動体歪み)
しかし非常に高速なシャッターを切ることが可能で、今では1/10000以上のシャッターを切ることも出来ます。 現在、機構の違いでドラム型とスクエア型の2種類が存在します。
ドラム型は、布でできた2枚の幕を左右のドラムに巻き取る構造のシャッターです。
スクエア型は、数枚の金属羽根を並べてシャッターとする構造で、羽根を広げたり閉じたりすることにより開閉させます。ドラム型に比べてシャッター音がうるさいのが欠点です。
昔のカメラはドラム型がメインですが、最近のカメラではスクエア型の採用が多い。
レンズ・シャッター
 レンズ・シャッターは、1〜5枚のシャッター羽根を円形に組み合わせて開閉を行います。一番多く採用されているのは、絞りのあるレンズの中心に位置するビトウィーンシャッターで口径を一番小さくすることができます。 他にレンズの外側に置くフロントシャッターと、内側に置くビハインドシャッターがあります。フロントシャッターは小型カメラのミノックスで使用されていたぐらいで、ビハインドシャッターはレンズ付きフィルムカメラや小型レンズカメラで今でも使われている。
昔のカメラの中には、ビハインドシャッターとすることによりレンズ交換を可能としている物もありました。
シャッタースピードは、シャッター羽根のスピードや移動距離に依存するため高速化が難しく、小型の000番,00番シャッターで最高速1/500秒のものがありますが大型になると更に低速になってしまいます。
ストロボの全速同調が可能で、動く被写体を撮影しても当然歪むことはありません。レンズ交換を行うには別に遮光機構が必要なため一眼レフにはほとんど採用されませんでしたが、コンパクトカメラに普及しました。
 下の写真は、レチナU。
レンズシャッターの故障の多くにシャッター動作の不具合がありますが、大半は油がシャッター羽について経年変化により硬化してしまって動かないものです。
このような場合綿棒に無水エタノールやベンジンをつけて油を取り除くと直すことができます。
 
【フロントレンズ】
 
【5枚羽のシャッター】
 
【絞りf5.6】
 
【フィルム側から見たレンズ】
   

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