モノフォニック・シンセサイザー                        
初期のシンセ VCF回路 VCO回路 VCA回路 LFO回路 EG回路 部品の検討
1.初期のシンセサイザー  
 1960年代後半から1970年代前半に作られた初期のシンセは、鍵盤で和音を弾いてもいずれかの音のみが発生される構成となっていた。基本的に1つの音源発振器によるアナログ回路構成で、1970年中盤にモーグやヤマハから発売された和音が可能なシンセサイザーと区別する意味でモノフォニック・シンセサイザーと呼ばれるようになった。
 色々なメーカーから発売されているなかで、コルグのMS−10,MS−20は色々ネットでの情報が豊富で自作するのに最適な製品と思い検討してみる事にしました。(MS−20はモノではなく2VCOですが・・・)
 2013/2/13
 アナログシンセサイザーは各社毎にに機種毎に独特な音色の違いがあります。特にオシレーターとフィルター回路部の違いが製品のキャラクターを決めていると思われます。
MOOGのVCFは特に特徴のある回路で比較してみようと考えています。
 2013/12/1

【図1】ブロックダイアグラム
VCO
  Voltage Controlled Oscillatorの略で、電圧によりコントロールできる発振器です。
VCF
  Voltage Controlled Filterの略で、電圧によりコントロールできるフィルタです。
VCA
   Voltage Controlled Amplifireの略で、電圧によりコントロールできる増幅器です。
この3つの回路ブロックは、アナログシンセサイザーにとってもっとも基本となる音の3要素(音程,音色,音量)を決める部分となります。
いずれの回路においても周波数や出力電圧と制御電圧の直線性が良いことが望まれます。
MG 
  Modulation Generatorの略でモジュレーション(変調)用発振器でLFOと同様に扱われている。
LFO
  Low Frequency Oscilatorの略で低周波発振器です。VCOにLFOで変調をかけるとビブラートの効果となります。 
EG
  Envelope Generatorの略で、ゲート信号をトリガにエンベロープを発生させ音に時間的な変化を与えます。
2.VCF回路  
 コルグのMS−10,MS−20に使われている回路を元に製作することににます。
この製品には、「KORG35」と呼ばれるモジュールが使われています。内部も公開されているので周辺も含めると下の回路図のようになります。
 
 トランジスタ2個を抵抗に置き換えて見れば、2次のローパスフィルターを構成しているのがわかります。
実際には出力がオペアンプ(4558)につながっているので、FET入力のオーディオ用途に使われているOPA2134にすることによりバッファを取り除きました。ローパスフィルターは、下図のようになります。
コントロール回路のベース電流分改善のためトランジスタを追加しているのと制御用トランジスタに2SC2878というミューティング用を使用したため定数の見直しが必要になります。
 2013/12/21 UP
 MOOGに採用されている回路を検討してみようと思います。
下に回路図を掲載しておきますが具体的な定数はネットにアップされているものを参照してください。
24dB/octのフィルターです。
 2013/12/1 UP
 
3.VCO回路  
 VCO回路は、下図のような基本構成になっています。入力(IN)よりキーボードなどから任意の電圧が入力されます。これを抵抗(R1)によりVI変換しトランジスタ(Tr1)のコレクタ電流として取り込みます。
このコレクタ電流の1/hfeとなるベース電流で決まるVbe電圧によりエミッタ電圧が決まります。この電圧によりTr2のベース電流とコレクタ電流が決まります。そしてこの電流とC(6200pF)により発振周波数が決まります。(波形はノコギリ波となります。)
出力のFETのソースフォロワは、電源を2〜3V高くしてやらないとノコギリ波が鈍ってしまいます。セットでは、入力の抵抗をセレクタにより2R,4R,8Rと替えることにより1〜4オクターブまで切り替えられるようにしています。またトランジスタ(Tr1)のベース電圧を変えることにより変調をかけたりしています。トランジスタ(Tr2)のVbe電圧を変化させることになりますので約18mVで電流が倍に変化しますので抵抗分割で入力1Vの変化で電流が倍変わるように調整しているようです。 
 
 温特の補正のためにコントロール回路の5.11kΩに一部分割してサーミスタを入れる予定です。
これは、0.3%の温特を補正するためのものです。 
 Tr1,Tr2に流れる電流の式は、
 I=Iref×exp(−Vin×Q/(KT))
となり、絶対温度(T)に依存しているのでここを補正してあげる為左図のような回路に5.11kの抵抗を変更します。
回路図の丸がついている抵抗が、サーミスタです。 これにより、Tr1とTr2の電流値が異なったときの温度特性を補正することができます。
そのためトランジスタとサーミスタは熱的に結合させてやる必要があります。 
   2013/2/26 up
4.VCA回路  
 MS−20に使用しているVCA回路を下図に示します。見てわかるようにとてもシンプルなものですがイニシャルゲイン設定のしかたなどばらつき(温度含む)を考えると心配なところもあり変更したいと思います。
 回路としては、VCFで採用しているものをアレンジしました。ゲインコントロール部のFETは、2SK97というオーディオで使用したものを使用してみることにしました。
下図に全体の回路を掲載します。
5.LFO回路  
 この回路は、基本的にMS-10と同じ三角波・方形波発振回路です。ダイオードを使用していたのをFETによるSWに変更しただけです。(ダイオードのVfの温特バラツキなど多少影響あったのかも)
特徴は、立ち上がり波形と立ち下がり波形でコンデンサへ流れる電流値をVR1により変えることができる点にあります。
三角波では立ち上がり,立ち下がりの傾きを変えることができますし、方形波ではデューティーを変えることができます。VR2によりコンデンサーへ流す電流値を変えることにより発振周波数をコントロールしています。
6.EG回路  
 MS−20にはEG回路が2つ搭載されています。共に波形の立ち上がり,立ち下がり,保持時間などを調整するボリュームが3つ付いています。この値が2MΩのAカーブなのですが、中々購入が難しいようなので定数の変更をすることにしました。下の回路図が変更した値です。1MΩのAカーブであれば、問題なく購入できると思います。

【EG1回路】

【EG2回路】 
7.部品の検討   
●OPA2134 
  今回は、オーディオに使用しているFET入力のオペアンプの中から入力リーク電流の少ないこのICを必要な箇所に採用することにしました。
   
   
   

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