テルミンの自作                                       
1.テルミンとは?
   
 ロシアの発明家レフ・テルミンが1920年に発明した世界初の電子楽器です。
二つのわずかに違う周波数の発振回路出力を合わせ、発生する低周波の可聴域のうなりを音にするのがテルミンの原理です。片方の発振器にアンテナを付けて人の手との間の静電容量を変化させ音の変化を作り出します。
 効果音的にテルミンを使ったレッド・ツェッペリンの演奏がまず思い浮かびます。
2007年ごろより(小さな)ブームが起こり、学研の雑誌「大人の科学」にテルミンが発売され注目されました。
  
2.回路の検討
    まずは、ネットで見つけた回路図を一部手元にある部品に変更して下にアップします。

*電源のカップリングコンデンサを記入し忘れていました! 2010/6/1

【455IFT】

 
 この回路は、テルミン1号機としてアップされているものです。 トランジスタ用455IFTの検波段とOSC用のコイルを使用して発振器を構成します。
455IFTは180pFの内蔵キャパで455kHzに同調させていますので上の回路では、800kHz前後の発振をさせて2回路の差分を出力させるように動作します。
 ボリューム側は、OSC用を用いて発振周波数を変えることで他えの影響を抑えます。
左の写真がIFTで今でも安価に購入することができます。
OSC用以外は同調用のコンデンサも内蔵していますので、取り外して使用します。
バリキャップダイオードは1SV230が使用されていますが、入手したのはNECの1SV167です。
テルミンでよく使われている東芝の1SV161と同等のものです。

【1SV167】

【ハートレー発振回路】
 無線機を作ると必ず必要となる発振回路には、ハートレー型とコルピッツ型があります。
ハートレーは、安定な発振出力を維持しながらCを可変することにより発振周波数を変えることが出来ます。
欠点は、高調波成分が多いことです。
 発振回路の後にバッファをかまして抵抗によるミキサーに入り差分の出力へと進みます。
バッファはお互いの発振器への影響を抑えるためですが、バランスモジュレターを用いれば必要なくなります。
昔のラジオや無線機にはミキサー部分に必ず使用されていました。多少個人的な見直しをして作る事にします。
ダブルバランスド変調,復調用回路
 MC1496を初め各社から同一品番が出ています。
TIのSN56514はバイアスが内蔵されていますが、1496は外付けによりバイアスをする必要がありますが定数を選ぶことにより低い電源電圧でも動作させることが出来そうです。
1496は、秋葉原で今でもナショセミとJRCのICが手に入ります。
 MC1496を使用して、SN56514の内部バイアスを参考に定数を決めていこうと思います。
下に一応回路を載せておきますが、まだ動作確認していません。

*電源のカップリングコンデンサを記入し忘れていました! 2010/6/1
 ボリュームコントロール回路で増幅段を削除しました。
        
3.テルミンの試作検討


 
 発振回路を左の回路に変更します。
理由は、トランジスタ(FET)のエミッタ(ソース)から直接出力をとると波形の歪みが大きいことでトランジスタから離れた場所へ変更しました。
丁度タンク回路の二次側を使用していなかったのでここから出力をとることにしました。直列に入れるコンデンサの値も出来るだけ小さい方が発振波形はきれいになるはずです。
回路の定数は、変えていませんが発信周波数を低くするようにする予定です。
現状800kHz前後ですが300kHzほどに変更します。これと同様にボリュームコントロール用発振器も400kHzほどにします。
発振周波数が下がるとテルミンとしてアンテナに手を近づけても変化できる周波数が小さくなってしまいますのでアンテナと直列にコイルを入れる必要がありそうです。
 
 

  まずは、発振回路を検討してみることにします。下の波形は、トランジスタのソースの波形でIFTのコアを左右に回した時の発振波形を測定したものです。
タンク回路のコンデンサは内蔵のものを使用しています。
362k〜515kHzまで150kHzほどの可変範囲をもっています。
 回路図と異なるのは、手元にあった2SK125というFETを使用していることで、電源電圧は9Vで動作させています。
ボリューム回路の発振周波数は、このまま450kHzほどで動作させます。
テルミンの音源用発振器についても同様の回路で周波数を下げた定数で作る事にします。
引き続きボリューム回路の検討を行なって行きます。


 




 ボリューム回路の評価検討を行います。
上のグラフは、IFTの周波数特性を測定したものです。
発振回路の出力にIFTを付けることにより発振周波数により出力電圧レベルが変化します。
実際に測定した波形が左に掲載したものです。
上の波形がピークレベルに近い波形で、下の波形が周波数を1kHzほど変化させたものとなります。
ピーク値で700mVほどレベルが変化しています。
この変化を電流変化に変換してあげれば、ボリューム回路となります。


 回路図のように検波回路を負荷させると左の写真のような検波出力電圧となる。
下の写真は、アンテナの代わりに50cmほどの線を付けてそこに手を近づけた時の波形です。
*電源を6Vにしたときの波形。
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2011/11/12 UP

 
   
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