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1.ダイオード  
  ゲルマニウムダイオード
 1N60,1N34初め色々なものがまだ購入可能です。
PN接合の構造ではなくゲルマニウムチップにタングステンワイヤーを軽く押し当てた点接点ダイオードです。低いVfで動作し始めますが電流を流すとVfが高くなります。
シリコンダイオードに比べて感度が高く微弱な電波を検波するのに使われてきました。
品種による違いがどの程度あるかわかりませんが何種類か購入して見ました。
   1N34,1N60,OA91,1S446
  シリコンダイオード
 ガラスタイプの一般ダイオードを使用します。
海外製の製品を参考にしているので1N4148の使用が多い。
ゲルマ同様に他の製品も購入します。
   1S2473(1SS133)
  LED
 ガリウムヒ素(GaAs),ガリウムリン(GaP)を初めGaAsP,AlGaAsそして最近ではAlGaInP,InGaNなど色々なチップが存在しVfも1.5〜
3.5Vぐらいまで色々なものがあります。
発光を目的としない使用方法がメイン(クランパー)なので手頃な2V前後の製品を使用します。
2.トランジスタ  
  ゲルマニウムトランジスタ
 全盛期には合金接合型のトランジスタが作られていました。
プレーナ型と比較するとよく量産できたなと思ってしまう構造です。
昔ながらのアナログなファズを作る時にシリコンとは違った音を作り出すのに必要です。
ファズに使用する場合は、Icesの小さい物を使用しないと丁度良いバイアスにならない。このため動作しないという問題も起こります。
この電流は温度特性があまり良くないので高温で動作不良になったりもします。
市場の在庫も少なくなってきていますので、できれば回路定数を見直して色々なトランジスタを使いたいものです。
HFE,Iceo,Icesの測定   
   ゲルマニウムトランジスタをファズに使用するには、特性により使用できない物もあるためある程度測定して選別することが必要です。 
 左の回路が簡易的な測定回路図です。
最初にSW1をON,SW2をOFFにしてIcesを測定します。読み取った電圧を2.5kで割った値がIcesになります。
次にSW1をOFFにしてIceoを測定します。
同様に読み取った電圧を2.5kで割ってIceoを求めます。最後にSW2をONにして電圧を測定します。
この値からIceoを測定した時の電圧をマイナスして100倍した値がHFEになります。
 ゲルマニウムトランジスタは、Iceoが大きいためファズに使用できない場合があります。
適度なHFEも必要なためこのような測定を行います。
 PNPトランジスタの場合は、電源を逆に繋げます。
(ベース電流が4μA流したときのhfeを測定しています。)
品番 サンプル数 Ices(μA) Iceo(μA) hfe
2SB324 No.1 26 108 41
No.2 25.2 112 55
No.3 21.2 102.8 40
No.4 24.4 102 54
No.5 26.4 108.4 47
2SB223 No.1 16 232 120
No.2 8 160 118
2SB303 No.1 6 156 110
No.2 4 92 97
2SB77 No.1 14 286 91
No.2 16.8 325.6 94
No.3 15.6 299.2 85
No.4 13.2 320 99
2SD77 No.1 14 209 88
No.2 15.2 298 108
No.3 12 287 105
No.4 17 714 131
2N1308 No.1 16.4 149 123
No.2 14.8 236 184
No.3 14.4 147 141
No.4 10 106 95
  シリコントランジスタ/FET
 インピーダンス調整用にバッファとして使用します。
またFETはALCのような使い方にも使用します。
2SK30A,2SC1815,2SA1015がオーディオ用途にも使える標準トランジスタとしての定番。
 
2N7000
   MOSFETの定番の1つ。
BS170も多く使われているが、同等品として使用が可能。
 
3.オペアンプ  
  初期のオペアンプ
■TA7506
   IC化されたオペアンプが発売されたのは、1964年にフェアチャイルド社のμA702です。ゲインが低いことなど欠点があったため1965年にμA709が発売されました。
1969年には、μA741がフェアチャイルド社から発売され位相補償が内蔵された始めてのオペアンプとなります。この後に各社がオペアンプICを作り出すことになります。
1970年代に入ると、レイセオン社がローノイズタイプのRC4558を開発、後半にはナショセミが初段がFETタイプのLF356を開発しました。私がオペアンプを使い始めた1970年は、フェアチャイルドのμA709とμA741,ナショセミのLM301のメタルパッケージしか手に入らなかったと思います。このTA7506は、LM301相当品です。
■μA1458H
   フェアチャイルドのμA1458Hを入手しました。
741系の回路構成でそれほどローノイズではありませんが特性的には4558に近い物をもっています。
TIと同様に1960年頃から集積半導体(IC)を始めています。
古いエフェクタには使われていたのではないかと思い比較の為に選びました。
■TA7136AP
   BOSSのDS−1初期モデルに採用されていた東芝のオペアンプ。
ピンコンパチのICは無い!!
位相補償は外付けのコンデンサーで行うタイプ。
LM308AH
   LM301,μA741など汎用オペアンプの入力電流を小さくしたタイプで回路電流も小さくなっています。Aが付いたタイプは、さらにオフセット電圧も少なくしたタイプで制御系に使いやすくなったオペアンプです。
これをさらに改善したタイプが、OP07ということになります。
  ローノイズオペアンプ
■LM49720
   4558系列の4562を改善したLM49720をモールドパッケージとメタルパッケージで用意してみました。
パッケージによる音の違いがあるのか聞いてみたいと思います。
■μPC4570
   4558系列の中から4570を選びました。
NEC(→ルネサス)のオペアンプで広帯域ローノイズとして作られたものです。ICの内部バイアス回路をツェナーからバンドギャップに変えた4572と言う製品もあり低電圧動作まで考えるとこちらの方がgoodです。
8V以上ならどちらでも問題なしです。
■BA4580
   4558系列の中からもう1つ4580を選びました。
この製品は、さらに広帯域を狙った物でアキュフェイズも5532と共に採用しているオペアンプです。
  J−FET入力オペアンプ
■TL072
   入力インピーダンスや入力バイアス電流の影響を考えずに設計できるメリットがあり適材適所で使用してみたいと思います。
ローノイズタイプの中からTL072を選ぶことにします。
ナショセミのLM356を改良してTL071を開発、2chタイプがこのIC。入力バイアス電流は、typ68pAです。この電流はリーク電流なので10℃上がると約2倍に増えます。温度が20℃上がると4倍に、40℃上がると16倍になります。使用条件によりバイポーラオペアンプと変わらない電流が流れる物もあることを知っておく必要があります。
■LM355H
   LM356の消費電流を小さくしたタイプ。共にメタルキャンパッケージでパッケージの違いも含めて音の違いを選びます。
■LM356H
   ナショナルセミコンダクター社が、1978年に開発した初段にFETを使用したオペアンプ。
入力バイアス電流は、typ30pAと小さく容量負荷(5000pF)に強いICで今でも量産されている。
■LM412
   LM356を改良してLM411を開発、2chタイプがこのIC。
最低動作電圧が高いので電池動作にむいていないのが欠点。
(9V以上必要)
■OPA2134
   AD711をリストアップしていたが今回外しOPA2134とチェンジすることにした。最大の理由は、最低動作電圧が9Vで、電池(006P)での長時間使用が難しいからだ。
最低動作電圧が5Vで入力電流が5pAでオフセット電圧が小さいというエフェクタにはもってこいのICだ。
  トランスコンダクタンスアンプ
■NJM13600
   BA6110,CA3080,LM13600,LM13700などがありますが、今秋葉原で購入可能な物はNJM13600でした。
ネットで調べるとBA6110,CA3080なども購入可能で、1ch使用にはこちらがよいと思います。

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