ディスクリートbooster
LPB−1  Clean Boost  Mosfet Booster  AMZ mini Booster 
Range Master  Katana Boost  Fulltone FAT Boost   
1.LPB−1  Top
 Electro Harmonix社が1968年に発売したクリーンブースター。
技術的に見た場合あまり推奨できない点が2つほどある。まずバイアスの安定度がやや低い(温度で変化大きい)事と、入力インピーダンスがバイアス抵抗により低い事である。
改善後を右に書いてみた。音色がどうなるかは別である。

【LPB−1】

【改造】
 改造の回路で、当初はゲインを同等にしようと考えましたがクリーンブースターにするため20dBに下げることにしました。このようにすれば、バイポーラトランジスタを使用しても入力インピーダンスを高くすることができます。
2.Clean Boost  Top
 LAND GRAFFのClean Boostは、基本的にはZ.VEX Super Hard Onと同じです。
ブースターの保護回路が多少強化されています。(基板から回路図を作成しているので間違っているかも)
3.Mosfet Booster  Top
 Clean Boost同様MOSを使用した1段アンプですが、DCバイアスの回路が異なります。
ゲインボリュームを可変してもバイアスが変動しないので、安定した回路です。
BS170を使用していますが、2N7000を使う場合はバイアス電圧を少し下げた方が良いかもしれません。
4.AMZ mini booster  Top
 Jack Orman's氏によるブースターで、ナショセミのアプリケーションノートの回路を利用したものらしい。
このホームページでもオーディオの所で真空管(三極管)のSRPP回路を紹介しているが、これをFETに置き換えるとこの回路のようになる。
シミュレーションでは、三極管と同じ回路で動作させることができるが、同一特性のFETが2個必要でなお同一温度で動作させなければDCバイアスが安定しないため現実的にはこの回路が最適である。
この回路で上のFETのバイアスをあたえている抵抗1Mが出力の負荷となるので若干ゲインが低くなるが、その他は同等な動作となる。
ソース接地の抵抗負荷動作に比べてゲインが高くなるのでピーク入力時は、歪むことになります。

【mini booster回路】

【真空管置き換えSRPP回路】
  
5.Range Master/Java Boost  Top
 Range Masterは、トレブルブースターとして有名なブースターです。この製品をベースにJava Boostが作られていると言うことで自作を検討してみました。
本物をみているわけではないので回路に間違えがあるかもしれませんがこれを基準として説明します。
周波数特性は、入力のC(0.005μF)とR(470k//68k)で中低域のゲインを下げています。ゲルマニウムTrを使用しているのでIcboが無視できないためバイアス抵抗の68kが多少低めになっています。
これに対し、右の回路では切換SWを付けてトレブル・ミッド・フルレンジに対応させています。
ただこの回路の問題は、バイアス抵抗にあります。ベース〜グランド間抵抗よりベース〜電源間の抵抗値を大きくする必要があるのに逆となっている点です。(ネットに出ている図が間違えているだけかも?)
あと、使いやすくするためにトーンボリュームはBタイプではなくCタイプを使用したいと思います。
ここを修正すれば、用途の広い使いやすいブースターとなります。
 
【Range Master】 
【Java Boost】 
【Range Masterのf特】  【Java Boostのf特】 
 改善した回路を下記に掲載します。 
Java Boostは、プラス電源でしたがマイナス電源にしました。(電源・電池の繋ぎを変えるだけ)
 
6.Katana Boost  Top
 keeleyのもう一つのブースターです。
昔から評判のブースターのほとんどがゲルマニウムトランジスタを使用しているのに対しジャンクションFETを使用した製品です。ネットで調べた回路なので違う所もあるかもしれません。電源は、9Vを内部でチャージポンプ式の電源により2倍にして供給しています。
 
   
7.FULLTONE FAT BOOST      2013/4/20  Top
 Jack Orman's氏と同様の回路ですが、低域,高域のトーンコントローラが付いています。
このブースターの特徴は、特に中低音が前に出てくる音圧感にあります。バージョン1では、高域のみのコントロールでしたが、バージョン2から低域のコントロールも付きましたが音色が異なった為バージョン3で初期型に近づける改善がされています。
 
 初段は、カソードフォロワのバッファになります。2N5457というJFETを使用しているので回路定数からIdをあまり流さない設定になっています。
2段目は、交流的な定電流負荷によるソース接地回路になります。この回路の良い点は、バイアスがトランジスタのバラツキにあまり影響させなく設定できる点にあります。
JFETを使用したブースターとして完成度の高い製品ですので、私なりなアレンジを入れた回路を完成させたいと思います。
初段のFETにはVgs(off)電圧の低い−5Vぐらいのものを使用して、ソース側の抵抗を10kから2.2kへ変更します。
2段目のFETには共にVgs(off)電圧が−3V前後のものを使用し、ソース抵抗を可変させることによりIdをコントロールさせ音色の変化を狙ってみたいと考えています。
(JFETは、ディプリーションモードで動作するトランジスタですのでゲートが0Vでもバイアスを加えたことになります。一般的なバイポーラトランジスタやMOSトランジスタはエンハンスメントモードなためベースやゲートにバイアスを掛けないと動作させることができません。)
下に回路図を載せておきます。
 2013/4/24 UP
   

M.I.の趣味の部屋  
2012/6/2UP