エフェクターは一般的に電池が使用されていますが、多くのアナログエフェクターを使用する場合、外部電源から供給する方が交換の手間が省けて便利です。
市販品であまり良い製品がないので自作して見ることにしました。
容量はいくらでも設定できますが、9V2Aくらいが手頃かなと思います。
回路は、2通りの例をあげておきます。最初の回路はシンプルに差動一段で構成したもので誰でも安定に作成することができます。(出力電流を考えるとダーリントンにする必要があります)
2つ目は、カスコード接続をさせ周波数特性(高域のインピーダンス特性)を改善したものです。
整流ダイオードには、ロームのSICショットキーダイオードを使用します。これは、真空管オーディオで整流に使用して評価が良かったものです。
現在Vfの低いタイプが製品化されたのでここではそれを使用します。
定数が決まったら再度アップします。 |
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*回路を一部変更しています。回路に載せていませんが位相補償が必要です。
(スタンダードなカスコードタイプ) |
一般的にトランスの2次側をダイオードブリッジで全波整流する回路が多いですが、2次側のコイルの一端をグランドさせる回路を推奨します。このような構成を取らないと交流電圧が交差する0V付近で2次側のコイルがダイオードにより切り離されてフローティング状態になり1次側からの誘導ノイズに対してインピーダンスが高くなってしまうからです。 使用するトランスは、PM−303という15V,30V端子のある3A(AC)定格のトランスを使用します。
SICのショットキーダイオードで整流すれば18VくらいのDCが取り出せてレギュレーターで9Vに安定させるという目論見です。PM−243(12V,24V)でもOKかもしれませんがゆとりを持たせます。
この電源は、実際に使用して評価してもらう予定です。 |
2012/10/17 UP |
部品の購入しながらケースの大きさを検討していくなかで、大きさと重さが大きすぎるのではと思い見直すことにしました。色々な製品を見てみると1Aクラスでも実用になりそうですので容量を半分にすることとしました。できるだけ小型軽量にするため(株)菅野電機研究所のSP−122Wを使用することにしました。
ACで2Aの容量ですからDCで1.2Aほど取れる電源ができあがります。 |
2012/10/26 UP |
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主な使用部品 |
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●SP−122W
菅野電機研究所の12V,2Aが2回路の電源トランス。 |
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●SCS220AG
ロームのSICのショットキーダイオード。
600V,20A品。Vfを下げたタイプをサンプル入手し採用してみました。 |
製作 |
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時計のケースが色々あるので、その中からアルミケースで手頃なハミルトンを選んでみました。Hのマークがちょっと格好いいと自己満足しています。1.2Aほどの電流能力があるので出力端子は、8個付けてみました。
基準電圧用のLEDに供給する定電流回路には、2SK246を選んでいます。このFETは、定電流回路に最適ですが4V以上の電圧をかけてあげる必要があります。制御トランジスタのベース電流を供給してあげる定電流回路には、電圧をあまりかけられないのでgmの大きな2SK170を選びました。実際の回路は、上の回路図を元に多少変更しています。 |
2012/12/4 up |
制御トランジスタは、最大電流領域でHFEが高いものを選びます。
右のグラフは今回選んだ2SC3709のhfe特性でYランク(120〜240)を使用します。
最大電流を流した時、5Wちかくの発熱となるため放熱器に取り付けます。 プリドライブ段は、10mAのベース電流を供給できるものとなります。
右下の写真が、内部の基板です。手前に見える3個のダイオードが、SICのショットキーダイオードです。
全波整流後のコンデンサは、合計8000μFにしました。
完成したら、負荷電流を変化させて位相補償コンデンサを決めます。 |
2012/12/7 up |
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一般的なアナログ・エフェクターは、電源端子がセンターグランドとなっています。(他の一般民生品と逆)
今回は、センターグランドのみの対応にしています。とりあえず完成したので、何人かに評価してもらっている。改善が必要になるかもしれないが結果が出れば報告します。 |
2013/4/20 UP |
現在まだ評価中ですが、結構良い評価が出てきています。一つは、ノイズが減ったといわれています。数人のコンサート経験のある人に引き続き評価していただきます。 |
2013/9/27 UP |
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