CsIシンチレーション式線量計                               
1.回路検討   
  秋月にも「PINフォトダイオード使用簡易放射線量モニターキット」が販売されるようになりだれでも簡単に作ることができるようになりましたが、アナログ部の自作を試みてみることにしました。(2012/5月現在)
デジタル部については流用させてもらう予定です。 
 
【S6775】
  
 PINフォトダイオードとシンチレータを付ける方法はシリコンオイルを使用するのが一般的ですが 、ピタガラスという接着剤を使うことをネットで知り採用することにしました。
    (かにこむ青木氏のホームページを参考) 
 
 
 PINフォトダイオードを使用していかに感度を上げるかを検討することにします。
ダイオードの端子間容量の影響をいかに抑えてノイズを減らすことができるかがポイントとなります。
左下の図に示すチャージアンプで受けることにより入力容量の影響を抑えますが、さらにダイオードに高電圧の逆バイアスをかけ接合部の空乏層を広げて容量を下げたり、FETによるブートストラップを用いてローノイズ化を行ったりします。ここら辺の説明は、リニテクのデザインノート399に書かれていますので参考にしてください。
説明には、トランスインピーダンスアンプとなっていますが、これは帰還に抵抗を用いて電流入力を電圧に変換するの
が異なるだけです。
説明と異なるかもしれませんが、FETのブートストラップによりダイオードの端子間容量が見かけ上小さくなることが、一番の改善効果だと思っています。
ローノイズオペアンプを使えばさらに改善するからです。
最終的に、一番効果のあるブートストラップを用いた回路を採用しました。
チャージアンプは、帰還にコンデンサだけでは出力がハイかローに張り付いてしまいますので抵抗をパラって適当な時定数でディスチャージさせます。
使用するオペアンプにはCMOSのオペアンプがよく使われていますが、多少ローノイズなオペアンプで低電圧で動作するOPA2134PAを選びました。
エレキギターのブースター用に手持ちがあります。  
RSコンポーネント :フォトダイオード検索
 
 
【センサーアンプ部回路】
右の写真のように、初段のオペアンプの入力部はインピーダンスが高いので空中配線としています。FETは、オーディオ全盛の時に東芝が立て続けに発売した中で高インピーダンスバッファに最適なローノイズ製品の2SK246を使用しました。
最終的には、PINフォトダイオードを付けてアルミケースに入れます。
マイコンと液晶基板は、別にレイアウトしアナログ部と分離します。
回路を見てお解りの通り全体としては、東海大学工 学部生命化学科の水谷研究室が作られたものを使用させていただきました。
使用されているマイコンが、PIC18F14K50でありライターの改造が必要となりました。
電源は5Vでも使用できるのですが、USB端子は3.3Vしかかけられないなどの制約があるからです下図に回路図を載せておきます。 
2.電源回路  
 電源のノイズ性能を考慮して、ディスクリートによるLED基準電源回路を採用することにしました。
回路的には、シンプルに差動アンプとエミッタフォロワ構成に帰還をかけた物です。 
 入力アンプ,マイコン及び液晶への電源はすべてこの5Vから供給することにしました。
そのため液晶のマイナス電源の供給はいらないため取り除きました。 
3.完成  
 検出電圧を調整して一応の完成です。
本来は、サンプルによる評価をしてソフトを手直しする必要がありますがOKとしておきます。
左の写真のようにセンサー及びアンプ部は、アルミケースに入れてシールドしています。
   

M.I.の趣味の部屋