電池駆動 |
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ヘッドフォンアンプを作っているうちにエフェクターで使用しているゲルマニュームトランジスタを使って作る事を思いつき色々検討した結果電池駆動のヘッドフォンアンプを作ることにしました。
最初は、シリコンからゲルマへの置き換え(006Pにより9Vで動作)を考えたのですが、ゲルマは熱に弱くパッケージの許容損失も低いため低電圧(±1.5)で動作させてやることにしました。 |
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よく見かけるのは、ダイヤモンドバッファと呼ばれる電圧ゲインのないタイプですが同じ物を作ってもつまらないので電圧ゲインも持たせたタイプを作ろうと思います。
初段は、在庫のあるNECのFETを使いました。
もう秋葉では見かけませんが、まだネットでチラホラ見かけます。
2段目にゲルマニウムTrを使用してみようと思います。
電源が、±1.5VなのでRL=30Ωなら30mW弱の出力となります。
そこで初段には2mAほど、次段は25mAほど流す定数設定を行う予定です。 |
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ヘッドフォンは、携帯性を考えオーディオテクニカのATH−FC700を選びました。低音はあまり出ないのですが中音は元気の良い音でとても聞きやすく、高音はそれほど刺激的ではないので気に入りました。
音漏れは、あまり良い方ではないかもしれませんが、長時間していても耳が痛くなることはありません。 |
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使用部品 |
●2SB77/2SD77 |
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今まで見つけて購入したゲルマTRの中でコンプリな製品がこのトランジスタになります。
PNPとNPNでそれほどペア特性を気にしなければメーカーが異なっても問題ないかもしれないと考え、2SB324と2SD72の組み合わせもテストしてみようと思います。 |
●2SJ44/2SK163 |
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オーディオアンプを作る時に標準的に初段の差動アンプとしてこのFETを使用していたため手持ちがまだあるために採用します。
現在廃盤になっていますが、ネットで販売しているお店がまだあるみたいです。 |
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上の図が、ゲルマニウムトランジスタのピン配置になります。
現在の一般的なシリコントランジスタ(E,C,B)と異なりセンターベースとなっています。
初段に使うFETに関しても左図のようにセンターゲートとなっています。余談ですが、日本の初期のシリコントランジスタには、センターベースの製品がありましたが、海外製品がセンターコレクタでしだいに変わって行きました。(30〜40年以上前の話です) |
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当初の定数ではゲインが足りませんので見直しを行うと共に仕上がりゲインを抑えて作る事にしました。
回路定数を変更したものに図面も変えました。
2010/06/24 UP
もう少し初段のドレイン負荷抵抗を大きくした方が良いかもしれませんがOKとしました。
出力負荷に33Ωを付けてオープンゲインを測定すると5倍程度しかありません。
出力段のゲルマニウムトランジスタには10mAほど流しています。
この電流の調整は、入力段の差動トランジスタのソース側の抵抗 Rを変えることにより行います。
左の波形は、下が入力で上が出力となっています。
(上から100Hz,1kHz,20kHz)
単四アルカリ電池を使用しますので900mAhの能力があるので2ch分の電流が24mAほどなので37.5時間ほど使える事になります。
製品としては、駄作かもしれませんがこの時代にオーディオにゲルマを使うのも自作派の特権です。 |
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