TC-K555ESⅡの修理 |
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1984年生産されたハイクラスのカセットデッキで特に昔はFMラジオのエアチェックに使いましたが30年以上倉庫に入れっぱなしでした。久々に電源を入れてもほとんど動きませんでした。
まずは、ゴムベルトが伸びきっていましたので交換することにしました。この製品はベルトが一か所にしかなくメカ部分が本体からブロックで外しやすい構造になっていました。回転部分をきれいにふき取りグリス(写真下)を再塗布しました。
ネットに修理の写真が載っていましたので参考にさせてもらいました。
左の写真はメカブロックを本体から外した物です。 |
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ゴムベルトを交換したのですがリールモーターは動くのですがキャプスタンモーターが動きません。
ネットの修理記事を見ていると同様の不具合がありその原因が見つかりました。試してみると正解でした。
キャプスタンモーターの制御基板が上の写真の左側側面にあります。ここに半固定抵抗が5個並んでいますが一番左側は(黒い)スイッチになっています。部品を外してテスターで確認するとわかります。このスイッチの接触不良が原因でした。このスイッチはモーターのメンテナンス時に切り替えて使われるようなので今回はスイッチを取り外し動作モードに固定する修正を行いました。(下の写真) |
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黄色い丸の部分を
リード線でショート |
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購入して40年近く立っていますがあまり電源を入れていないので電解コンデンサなど交換する必要はなさそうです。 このほか全体のクリーニングと電源コードの交換・ゴム足の交換を行い録音テストをして完了としました。
この製品は、私が持っていても使用頻度が限られるので友人に譲渡することにしました。 |
2024/1/18 up |
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TC-K5の修理 |
友人よりTC-K5の修理依頼がありました。再生時・録音時それぞれ別チャンネルの出力が出ない・ノイズがのるなどの不具合が発生。
今回は回路図があったほうが良いのでネットで無料の資料を探してみたところ入手できました。 |
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2024/1/20 up |
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まず最初の不具合は、再生時に右側の出力にノイズがのるというものです。
再生音は左右共に出力されるのですが右側のみ無音状態でも一定のノイズが発生。
このような不良は多分初段のプリアンプの場所が原因と考えられます。ヘッドからの信号を高感度に増幅するアンプなのでトランジスタの性能消化で、十分考えられる症状です。
周波数特性(NAB)や位相補償などのコンデンサを取り除いた回路図を左に載せておきます。
製品には2SC1345が方チャンネル2石使われています。入手が出来ないのでTr1に2SC2676、Tr2に2SC1845へ置き換えてみることにしました。
初段の2SC2676は0.1mA前後で使われる用途に開発された石ですので最適なトランジスタです。2SC1845は、2SC1345の同等品として選んでみました。
直流帰還の470kを外すとギターアンプになります。(Hfeも100前後を使用) |
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再生時に右チャンネルにノイズが入る(かなり耳障りなノイズ)ので初段NABアンプのトランジスタを交換して確認したところクリアーな音楽再生ができ解決できました。問題のない左チャンネルも同じに変更しました。
右の写真の大きなモールドトランジスタが2SC2676になります。
大きいパッケージに入れることにより発熱による影響を極力抑える構造です。
交換したトランジスタのリード線が黒くなっていましたので銀メッキされたもので銀によるイオンマイグレーションが起こり始めていてこれによるノイズ発生ではないかと思われます。 |
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もう一つが「録音時に左のモニター音が出ていない。」という不具合です。
ライン入力からオシロで信号を見て行くとマイク/ライン切り替えSWがあやしい事がわかりクリーニングを実施しました。その結果この問題も解決できました。 |
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不具合の問題が解決できましたので、全体的なメンテナンスを実施しました。音質改善目的で一部の電解コンデンサを交換しました。(左写真)ゴム足が無くなっていましたので購入して装着しました。電源コードも固く弾力性が無くなっていましたので交換しました。
以上の改善で音質がかなりクリアーになったと思います。(一応8時間ほどエージングして確認) |
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2024/1/23 |
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