最初の動機 |
「無線と実験」を見ていたらイコライザ用のコイルが低価格で売られているのを知り、作ってみようという気持ちが沸きあがりました。
元々、LCイコライザ用コイルとして何度かリバイバル発売されたりしていましたが、高価でなかなか手を出しかねて いました。野口トランスが販売がされているコイルFEQH,FEQLを使用して作ることにしました。 このコイルは以前タンゴから発売されていたLCイコライザのEQ−600Pに使われていたコイル(値)を野口トランスにて製造販売されている物だと思われます。
したがって、イコライザ回路の常数は、タンゴが開示していた偏差±0.4dBの物を採用することにしました。
イコライザ部分のインピーダンスは、600Ωと低いので普通はトランスでインピーダンス変換して使用しますが、今回は、μフォロワSRPP回路により低インピーダンスドライブで検討します。下に回路図を載せておきます。 |
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EQ−600Pの偏差±0.2dBの場合の回路および常数を左に載せておきます。
実際には、アンプの出力インピーダンスや入力インピーダンス(インピーダンスマッチング600Ω)により補正は必要と思います。 |
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CRイコライザ同様MCカートリッジに対応した入力としてジャンクションFETを初段にして二段目の真空管を直結した回路構成にしました。
今回は、初段のドレイン電流の温度特性による影響(DCバイアス変動)を次段のカソードに定電流を入れることにより削減させています。 |
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0.3mV出力ほどのMCカートリッジに対して上の回路を検討するのは問題ないのですが、私が使用しているデノンやサテンを考えるとダイナミックレンジが思うようにとれず変更することにしました。 |
2013/8/28 |
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上の図の回路が、検討したものです。ダイナミックレンジは、初段の出力で決まってしまいます。600Ωの負荷を真空管で直接ドライブするためここには電流を流してやる必要があります。
使用する真空管は5670ですのでSRPPでは5mAぐらいがよいところです。イコライザの前でそれほどゲインを稼げないため次段でその分稼いでやる必要があります。
今回は、ノイズ(S/N)の点も考慮してFETと真空管の2段直結にしてみました。 次段をFETとの2段構成にしたのでSRPPにする必用もあまりなくなり3極管ソース接地回路としました。
オールWE構成も考え価格の安いWE408Aを三極管接続で使用します。この球は6AK5のヒーター電圧は異なりますが長寿命管として戦後に作られたものです。5670と比較するとμは下がりますがrpは低くなります。
初段にもWE407Aを使用してヒーター電圧を20Vで統一して設計することにしました。 |
2013/8/30 |
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回路の見直し |
FETには2SK246や2SK117を採用することにしました。予備実験として初段を2SK117真空管にRC5Bの構成でアンプを作成すると40dBのゲインを持った特性を示しました。
使用するカートリッジによっては、初段でのダイナミックレンジが足りないので初段のアンプはカスケードにはしない方が良いかもしれません。
回路電流が増えるので電源トランスを大型にするか2個使いする必要があります。 |
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2014/10/25 |
初段のゲインが高いのでダイナミックレンジも考慮して一つ前の回路に戻します。ここは使用するカートリッジにより最適なゲインが出てしまいます。(負荷が600Ωなのでダイナミックレンジを上げるためには電流を増やさなければならないからです。本来ならトランスによるインピーダンス変換して負荷をドライブしてあげる必要があります。)
これにより電源トランスPMC−35が使えるようになります。
下図にもう一度最終回路を掲載します。 |
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2015/4/25 |
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【最終回路】 |
最終のつもりにしていましたが、最近の金田先生の記事を見て出力を電流伝送にしてラインアンプの入力で抵抗によるI/V変換によるボリュームを付けてあげる構成を考えてみました。電源を±100Vにしてあげる為、初段もトランス負荷による構成に変更しました。(従来回路では200V以上必要になるため) |
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2016/2/14 |
直流電流を流せないトランスを選択しましたので初段の回路に変更をかけました。 |
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また変更をしました。出力段の性能が良かったので電流ミラー回路を1:3にするとともに初段にも採用することにしました。ゲインが足りないときは入力にもトランスを入れます。
*回路が細かいのでPDFを貼り付けました。(いずれすべての定数を入れます) |
2016/4/18 |
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トランジスタの見直しを行い2SA1924を三洋の2SA1480に変更しました。耐圧は300Vと低くなりますが、 Cobが小さい事やhfeの直線性が良いことなど性能が良いので採用することにしました。カソード側のトランジスタは発熱しないのでTO−92の2SA970に変更しました。 |
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2016/10/9 |
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