4033Aシングルパワーアンプ 
1.回路設計
 プレートが斜めになっている非常に変わった球でアンプを作りたいと思い購入していた物です。普通なら増幅率もあるので初段に3極管を使用してドライブしてあげれば簡単にパワーアンプを作る事ができます。
ここでは皆さんがチャレンジしていない半導体とのハイブリッドによるアンプを作ってみようと思います。
 2018/11/18 up
 
4033 
 ヒーター電圧 6V
 ヒーター電流 1.4A
μ 15 Vp=300V,Ip=50mA
 インピーダンス 1670Ω  Vp=300V,Ip=50mA
最大プレート電圧 600V
最大プレート電流 170mA
最大プレート電力 25W
 検討中の回路図を下に載せておきます。
この回路の問題点は温度によるバイアス電圧の変動により4033のプレート電流がどの程度変動してしまうかです。
変動するのは致し方ないのですが高温で電流が少し減るような方向に設計できれば実用になると考えています。
小型のミニパワーアンプを想定していて真空管を12Wぐらいで使用します。
 
 回路動作説明
   初段がJFETの2SK117で直結で4033をドライブしています。初段の電源にはツェナーを使用した50Vほどのリファレンス電圧を作りカソードフォロワで送り出す回路を採用しています。また、直結するために真空管のカソード側に45Vのシャントレギュレータを設けています。
4033のプレート電流は30mAほどと少なめな値を想定しています。これはたまたま280V100mAのトランスが手持ちにあったためです。全波整流で400V前後の直流電源となり4033には330Vほどの電圧がかかることになります。出力トランス7kΩでIp=30mAのラインを引くと丁度良い動作となります。
 トランスPH-100を使用して400VぐらいDC出力が得られると思っていましたが1割ほど低いことが解り定数の見直しをしました。初段の2SK117には2mAほどを流します。温度でドレイン電流が変化し大幅に出力真空管の電流が変わるようでしたら左に記載している2SK303と2SK245の組み合わせに変更します。
50Vのレギュレータも帰還型に変更して温度変化を少なくしました。トランジスタは耐圧が500V以上が必要で手持ちのSCT2120にしました。(ここは高耐圧のバイポーラトランジスターでも問題ないのですが。)
出力の動作ポイントも変更し35mA(300V)負荷5kΩとします。
   2018/112/1 up
 
 真空管構成で設計したバージョンを掲載します。
まず、初段はRCAの6C5を170V,2mAの動作で使用します。
カソードとグランド間に9Vのシャントレギュレータを組み込みました。多少の温度特性をキャンセルさせるためFETによる定電流回路を組み込みました。ここを抵抗に置き換えると高温で電流が減りレギュレータ電圧が下がってしまいます。FETをIqポイント以下にすることで高温で電流が増やすことができトランジスタの温特をキャンセルさせることができます。4033Aは38mAトランス負荷5kΩ動作で使用します。
   2019/7/23 up
 他のアンプと異なるのは、初段のバイアスが次段に影響するからです。
何もしなくても出力段にとってマイナスの動作をするため(温度が上がると出力段の電流が低下する。)発熱して壊れることはありません。温度補償もやり過ぎないようにしましょう。
初段が壊れた時にすぐわかるようにLEDを付けました。正常時は点灯していますが初段に電流が流れないと消灯に近い状態になります。 
   2019/7/24 up
   
   

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