腕時計のオイル                     
1.オイルの種類  
 オーバーホールが必要な主な理由は、磨耗部分を保護している潤滑油(オイル)が切れてしまうからです。
潤滑油が切れると部品の磨耗が早くなり寿命が短くなってしまいます。
一般的に4〜5年でオイルが汚れて減ってしまうため少なくとも4年に一度のオーバーホールが必要です。
時計には高速で動作する部分で摩擦を出来る限り少なくする部分とある程度摩擦が必要な部分など色々な場所があり見あったオイルを選択して使用します。
一般的に広く使われているメビウス社のオイルの使用ガイドを下に載せておきます。
メビウス社
オイル使用例

2番車

9020/8000/D−5

輪列

9020/8000 

ガンギ車

9010/9020/8000 

爪石

9010/8000/941 

テンプ

9010/9020/8000 

香箱の内部

8200/香箱用グリス 

自動巻き機構

9010/9020/8000/D−5 

キチ車・ツヅミ車

 8200/8300/D−5

 ETAは、カナ用にジスマ124というグリス(指定オイルに採用されている)を、文字板側や自動巻機構にはメビウスの8200かD5を輪列に9030、アンクルの爪石にメビウス941を推奨している。
 *メビウス社は1855年にスイスに設立された会社です。
  9010は普通の粘度,9020は高粘度,8200(8300)はゼンマイ・キチ・ツヅミ車用のオイルD−5はマイクログリスで 巻上げ機構・カレンダー機構・自動巻き機構・2番車のホゾなどに最適です。
2.使用オイル  

 シチズンが開発したオイルで、従来製品に比べ低温での特性を改善し長寿命化を実現したものです。
今度個人的にメンテナンスを行うときに使用します。

AO−G08
   シチズンのAOシリーズのグリス。
ゼンマイやキチ・ツヅミ車には、少し多めに使用します。
裏輪列に塗布しますがグリスを過剰につけると負荷が大きくなりカレンダー機能がうまく動かなくなったりします。
AO−2
   低粘度タイプで、メービス社の9030,9010同様のウオッチオイル。
輪列から脱進機までのグリスを使わない部分に使用します。
爪石にはメビウス社の941が使われますが、ここにもAO−2を使用します。
アンクルのホゾとホゾ穴には注油しない。
AO−3
   中粘度タイプで、メービス社の9010,9020同様のウオッチオイル。
裏周り摺動部や切替機構部などに使用します。
メビウス社のオイルを上回る性能を秘めており、期待しています。
オイラー
   低コストなA★Fを購入。
   
   

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